胼胝(たこ)

Callus

胼胝(たこ)

胼胝とは?

皮膚の角質層が肥厚した状態で、足の裏なども摩擦や衝撃、圧力がかかることによりできます。足の裏や足の親指の付け根、踵などに出現することが多く、皮膚の表面が硬くなり、大きなものは、痛みを伴います。

踵(かかと)が固くなっている角質も胼胝(たこ)になります。

また、外反母趾などの足の変形で骨が突き出た場所にできることもあります。女性の場合、ハイヒールを着用される方で足ゆびにハンマートゥやクロートゥ等の変形がある場合、足ゆびの上の部分に胼胝(たこ)が出来たりもします。

胼胝(たこ)は足病医においては、虫歯のようなものであり重度な足病に発展するサインになります。早期に発見して治療を行う事で足病全般の予防につながります。

胼胝の原因は?

靴擦れによるものを除くと、足の変形や過回内・過回外などが原因で発生する足の裏への圧力異常によるものがほとんどです。

本来、足裏は体重を均一に支えているものです。しかし足の骨格構造に歪みがあると、足裏全体で体重を支えることが出来ず、地面から帰ってくる力(床反力)を処理できなくなることで、一部分に荷重がかかるようになります。すると、その部分の圧が高くなることで、皮膚が厚くなっていきます。

  • 摩擦と圧力
    足が靴や地面と摩擦し、長期間圧力がかかることで、皮膚は自己防衛のために角質化し、胼胝が形成されます。
  • 不適切な靴
    狭い靴や小さい靴、高いヒールの靴など、足に適切なサポートやクッションを提供しない靴を履くことが、足の裏に圧力をかける原因となり、胼胝ができることがあります。
  • 足の構造や歩行の異常
    扁平足、凹足、ハンマートゥ、外反母趾、アキレス腱が硬いなどの足の構造的な問題や、歩行の異常が、足の裏に過剰な圧力をかける原因となることがあります。
  • 重度の乾燥
    足の皮膚が乾燥しすぎると、摩擦が増加し、胼胝ができやすくなります。
  • 遺伝的要因
    家族歴や遺伝的な要因が、皮膚の角質化に影響を与えることがあります。

症例

胼胝は肌が圧迫されることによってできる角質の厚みのことを指します。胼胝の検査方法は、主に視覚的な確認と触診によって行われます。足の裏や足趾にできる場合が多いため、手で触って硬さや大きさを確認したり、肉眼で見て皮膚の変色や盛り上がりを確認します。また、痛みや圧迫感がある場合は、神経の検査も行われることがあります。胼胝が慢性的にできる場合には、足の形や可動域、歩行方法に問題がある可能性があるため、足病医による足部アライメント評価や歩行分析が行われることもあります。

胼胝が進行した場合のリスク

胼胝(たこ)を放置するとより重症度の高い足病に発展する場合があります。また多くの足病における初期症状のサインとして胼胝(たこ)は発症するため、足の裏に胼胝ができた場合は場所によらずにすぐに受診するようにしてください。痛みと不快感:胼胝が厚くなり、硬くなると、歩行時や靴を履く際に痛みや不快感が増すことがあります。

  • 圧迫感
    胼胝が大きくなると、靴の中で圧迫感が増し、足への負担が増加します。
  • 皮膚の損傷
    胼胝が厚く硬くなると、周囲の正常な皮膚への圧力が増し、損傷や痛みが生じることがあります。
  • 皮膚の感染
    胼胝が割れたり損傷したりすると、細菌が侵入し、感染が起こる可能性があります。特に糖尿病患者など、感染に対する免疫力や感覚が低下している人は注意が必要です。
  • 足の構造の悪化
    胼胝が原因で歩行時の足の負担が偏ると、足の構造や歩行パターンに悪影響を与えることがあります。歩行パターンの悪化による関節炎や骨の変形などにつながる場合もあります。

胼胝の治療方法

保存療法(手術しない治療法)

  • タコ削り処置(胼胝処置)
    サリチル酸ワセリン含有の軟膏を使用し、角質層を柔らかくしたり、外科的処置で削ります。
  • 装具療法
    足の構造的な問題や歩行の異常がある場合、医療用インソールを使用して足への圧力を分散します。足の適切なポジションに骨格を強制することと体重をささえるだけの硬度(固さ)をもつ装具が必要であり、ドラッグストアなどで売っている柔らかい装具では胼胝(たこ)の軽減機能はほとんどありません。

手術療法

装具療法などの骨格矯正で改善しない胼胝(たこ)がある場合は、予防的手術として骨格を矯正する手術が必要になります。問題となっている異常圧力の原因となる骨格や関節の構造によって手術を行います。足趾などの部位の場合は比較的簡単な手術で矯正することができます。

例えばハンマートゥやクロウトゥなどの初期状態の場合には、日帰り手術の簡単な手術で、局所麻酔のみでほとんど痛みのない手術を行います。

リハビリテーションによる改善効果

胼胝に対してのリハビリテーションでは主に、関節可動域の拡大や筋力強化、歩き方(歩容)の改善を行います。胼胝の原因は上記でご説明したように足の変形などにより、足の一部分に体重が集中することが原因となります。そのため、歩行解析を行い、胼胝のある部分に体重が集中してしまう原因を特定した上で、必要なストレッチや筋力トレーニングを行います。これにより柔軟性の改善や、筋力の増加、歩行の安定性を向上させ、一部分に集中した負担を分散するようにします。また、過回内、過回外を引き起こす原因となる筋力を向上させることで、足の変形の改善を図り足の一部にストレスが集中しないようにしていきます。

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日常でできる予防対策

適切な靴を選ぶ

足にフィットし、適切なサポートやクッションを提供する靴を履きます。かかとのしっかりした靴を選び、サンダルやつっかけなどの靴はさけてください。

足の保湿

足の皮膚を乾燥から守るために、保湿クリームを定期的に塗布します。

※一度できた胼胝(たこ)の処置は受診の上医師により除去することを推奨します

角質を薄くし、胼胝の形成を抑制します。ただし、深く削りすぎると皮膚にダメージを与えることがあるため、注意が必要です。

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