痛風

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痛風

痛風とは?

痛風は、尿酸の過剰な蓄積によって引き起こされる関節炎の一種です。風が吹いても痛いということから痛風といわれているように激痛を伴う場合が多いです。
尿酸は、細胞の通常の代謝過程で生成される物質で、通常は腎臓を通じて尿として排出されます。しかし、尿酸の生成が多すぎるか、腎臓が尿酸を十分に排出できない場合、尿酸が体内に蓄積し、結晶化して関節に沈着します。これにより、炎症や関節の痛みが引き起こされます。

痛風は急性の発作と慢性的な状態の両方を含むことがあります。急性痛風発作は、通常、関節の腫れ、発熱、および激しい痛みを伴います。発作は数時間から数日間続くことがあり、その後は症状が消失することがあります。ただし、適切な治療が行われない場合、痛風は慢性的な状態に進行し、関節の損傷や腎臓の問題を引き起こす可能性があります。

痛風の原因は?

痛風は、尿酸の過剰な蓄積によって引き起こされる関節炎の一種です。

尿酸は次のような原因で蓄積されます。

遺伝的要素:家族歴がある場合、痛風になるリスクが高まります。

食事:高プリン体食品(肉類、魚類、ビールなど)の過剰摂取は、尿酸の生成を増加させ、痛風のリスクが高まります。

肥満:体重が増加すると、尿酸の生成が増え、腎臓が尿酸を排出する能力が低下するため、痛風のリスクが高まります。

腎臓の問題:腎臓の機能が低下している場合、尿酸の排出が不十分になり、痛風が発生する可能性が高まります。

その他の疾患:高血圧、糖尿病、高脂血症などの疾患は、痛風のリスクを高めることがあります。

症例

痛風の診断には、以下のような検査が行われます。

血液検査:血中尿酸値が高いことが確認されます。また、白血球数、C反応性タンパク(CRP)などの炎症マーカーの値が高い場合があります。

関節穿刺:関節内の尿酸結晶を確認するために行われます。関節液を採取し、顕微鏡で尿酸結晶を確認することができます。

レントゲン検査:痛風では、関節の石灰化が生じている場合があります。レントゲン検査により、関節の変形や石灰化を確認することができます。

超音波検査:関節液の貯留や関節内の尿酸結晶を探すために行われます。超音波を照射し、関節内の状態を詳細に調べることができます。

痛風が進行した場合のリスク

痛風が進行した場合、以下のリスクや合併症が生じる可能性があります。

関節の損傷

繰り返しの痛風発作が起こると、関節に持続的な損傷が生じることがあります。これは関節の痛み、腫れ、変形、および機能の低下を引き起こす可能性があります。

腎臓の機能低下

尿酸の過剰な蓄積は、腎臓の機能低下や腎結石の原因となる可能性があります。これらの腎臓の問題は、さらに進行すると、腎不全に至ることがあります。

痛風性腱炎

痛風が進行すると、尿酸結晶が腱に沈着し、炎症を引き起こすことがあります。これにより、関節周囲の腱が痛んだり、機能が低下したりすることがあります。

痛風結節

長期的な高尿酸血症が続くと、尿酸結晶が皮膚下に固まった塊として沈着することがあります。痛風結節は痛みを引き起こし、感染や潰瘍を生じる可能性があります。

心血管疾患

痛風は心血管疾患のリスクを高めることが示唆されています。痛風患者は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まることがあります。

痛風の進行を防ぐためには、早期に適切な治療を受けることが重要です。痛風の治療には、急性発作の症状を緩和する薬物や、尿酸値を下げる薬物が使用されます。また、食事やライフスタイルの改善も痛風の管理に役立ちます。

痛風の治療方法

保存療法(手術しない治療法)

痛風の治療方法は、急性発作の症状を緩和し、再発を防ぎ、尿酸値を管理することを目的としています。

薬物療法

抗炎症薬:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みや腫れを軽減するために使用されます。ただし、これらの薬物の長期使用は胃腸障害や腎臓への影響などの副作用があるため、医師の指示に従って使用してください。

コルヒチン:痛風発作の症状を緩和し、再発を防ぐために使用される薬物です。コルヒチンは副作用があるため、適切な用量で使用する必要があります。

ステロイド:痛みや炎症を抑制するために、ステロイド(プレドニゾロンなど)が処方されることがあります。ステロイドは、NSAIDsやコルヒチンが適用できない場合や、症状が重度の場合に用いられます。

尿酸排泄促進薬:プロベネシドなどの薬物は、腎臓による尿酸排泄を促進し、血中尿酸値を下げることができます。

尿酸生成抑制薬:アロプリノールやフェブキソスタットは、尿酸生成を抑制し、血中尿酸値を下げる効果があります。

手術療法

痛風で手術が必要になる場合は比較的まれですが、以下のような状況で手術が検討されることがあります。

痛風結節の除去:長期的な高尿酸血症が続くと、尿酸結晶が皮膚下に固まった塊(トフィ)として沈着することがあります。痛風結節が関節の機能を損なったり、感染や潰瘍を引き起こしたりする場合、手術で除去することが検討されます。

関節の損傷修復:繰り返しの痛風発作が起こると、関節に持続的な損傷が生じることがあります。関節の痛み、腫れ、変形、および機能の低下が重度で、薬物療法やリハビリテーションが効果を示さない場合、関節の修復や置換手術が検討されることがあります。

腱の修復:痛風が進行すると、尿酸結晶が腱に沈着し、炎症を引き起こすことがあります。これにより、腱が断裂することがあります。腱の断裂が機能を大幅に低下させる場合、手術で腱の修復が行われることがあります。

日常でできる予防対策

食事とライフスタイルの改善

肥満の防止・改善や、適正エネルギー量を摂取することが重要です。高プリン体食品(肉類、魚類、ビールなど)の過剰摂取は、尿酸の生成を増加させ、痛風のリスクが高まります。

高プリン体食品の制限

肉類、魚介類、内臓肉、ビールなどの高プリン体食品を制限し、バランスの良い食事を心掛けてください。

アルコールの摂取制限

アルコール摂取量を減らすことで、痛風の発作リスクを低減することができます。

水分摂取の増加

十分な水分摂取は、尿酸の排泄を助け、結晶の形成を防ぐことができます。

体重の管理:肥満は痛風のリスクを高めます。適切な体重管理をこころがけてください。

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