ハイアーチ/凹足(おうそく)

high arches

ハイアーチ/凹足(おうそく)

ハイアーチとは?

ハイアーチ(高い足のアーチ)は、足の縦アーチが通常よりも高い状態を指します。日本語では凹足(おうそく)といいます。足のアーチは、足の内側にある自然なカーブで、体重を分散し、足を安定させる役割があります。ハイアーチの足は、足底面が中央部で地面から離れているように見えることが特徴です。

ハイアーチは、遺伝的要因や神経筋疾患、脊髄損傷、足の骨構造の問題などが原因で発生することがあります。ハイアーチの足は、足の前部と後部に体重が偏ってかかり、アーチが衝撃吸収の役割を果たさなくなることがあります。その結果、以下のような問題が生じることがあります。

足の疲れや痛み: 足のアーチが高いと、足にかかる負担が増え、足の疲れや痛みが生じることがあります。

足裏の鶏眼、魚の目、胼胝(たこ):足裏の圧が高くなり、足の踵や指の付け根に鶏眼、魚の目、胼胝(たこ)ができやすくなります。

足首の捻挫: ハイアーチの足は不安定になりやすく、足首の捻挫を起こしやすいです。

足底腱膜炎: 足のアーチが高い場合、足底筋膜(足の裏を覆っている結膜組織)に過度のストレスがかかり、炎症が起こることがあります。

膝や腰の痛み: ハイアーチが足のバランスやアライメントに影響を与え、膝や腰に痛みが生じることがあります。

ハイアーチの原因は?

ハイアーチ(高い足のアーチ)の原因は、遺伝的要因、筋肉や靭帯の異常、神経筋疾患、足の骨格異常などが考えられます。

遺伝的要因によるハイアーチは、両親から遺伝する可能性があります。筋肉や靭帯の異常によるハイアーチは、足の筋肉が強すぎるために足のアーチが高くなる場合や、逆に足の筋肉が弱すぎて足のアーチが高くなる場合があります。

また、神経筋疾患によるハイアーチは、脊髄損傷、筋ジストロフィー、二分脊椎症、脊髄性筋萎縮症、ポリオ、脳性麻痺などの疾患が原因となります。

症例

ハイアーチは、足アーチが異常に高い状態を指します。一般的に、足アーチは約10%の人がハイアーチになるとされています。ハイアーチの検査には、以下のような方法があります。

フットプリント検査:足のアーチの高さを測定するために使用されます。患者は、インクのついた専用の機器の上で白い紙をふみつけて、足型をとります。その後、足型を解析して、足アーチの高さや圧を測定します。

X線検査:X線検査は、足の骨格構造を詳細に見るために使用されます。荷重下で撮影し、アーチの高さを調べることが出来ます。

足の柔軟性の検査:ハイアーチは、足の柔軟性の低下によって引き起こされる場合があります。特定の足の関節の可動域を調べて、その柔軟性を測定することができます。

足の筋力の検査:ハイアーチは、足の筋力不足によって引き起こされる場合があります。患者は、足の筋肉の力を評価するために、特定の運動を行います。

ハイアーチが進行した場合のリスク

ハイアーチが進行した場合、以下のようなリスクがあります。

足の痛み

ハイアーチの足は、足底の一部に体重がかかり、足の裏や、足の内側の筋肉や腱にも過度の負担がかかるため、足の痛みが生じることがあります。

足裏の鶏眼、魚の目、胼胝(たこ)

足裏の圧が高くなり、足の踵や指の付け根に鶏眼、魚の目、胼胝(たこ)ができやすくなります。程度がひどいとその潰瘍に進行するリスクがあります。

足底腱膜炎

ハイアーチの足では、足底腱膜(足の裏を覆っている結膜組織)に過度のストレスがかかり、炎症が起こることがあります。

足の変形

ハイアーチが進行すると、足のアーチが高くなりすぎて、足の前部と後部に体重が偏ってかかり、足の形が変形することがあります。

足関節症

ハイアーチが進行すると、足の関節に負担がかかりすぎて、足関節症や膝関節症が引き起こされることがあります。

足首の捻挫

ハイアーチの足は、不安定になりやすく、足首の捻挫を起こしやすいです。

ハイアーチの治療方法

保存療法(手術しない治療法)

筋力トレーニング:とストレッチ 

ハイアーチの足には、足首や足底の筋肉が弱くなったり、硬くなっていることがあります。足の筋力トレーニングを行うことで、足の筋肉を強化し、足の安定性を高めることができます。また、ハイアーチの足には、足底の筋肉や腱が硬くなっていることがあります。足底のストレッチを行うことで、足底の筋肉や腱を柔らかくし、足の痛みを軽減することができます。

当院では自費リハビリテーションによって治療を提供しています。

装具療法

医療用インソール(オーソティックス)を使用することで、関節への負担を軽減し、痛みの緩和を図ることができます。ハイアーチは足底に負担がかかりすぎていることが多く、関節の可動域にあわせて調整した装具が必要になります。足底の圧を分散し、足の構造に合わせた関節ポジションに骨格を矯正し、また体重を支える硬度のある固い装具が必要になります。

手術療法

ハイアーチが重度で、足の痛みが軽減されない場合、手術が必要となる場合があります。手術には、足底の腱を切ってアーチを下げる手術や、足底の筋肉を移植する手術があります。

リハビリテーションによる改善効果

ハイアーチに対するリハビリテーションは主に、足部の柔軟性獲得と変形矯正を目的としたストレッチ、筋力トレーニングを行います。筋や腱の伸張性が低下しハイアーチを形成している場合は足底部に柔軟性を獲得するためのストレッチを行い足底にゆとりを作ります。骨格異常などであれば関節モビライゼーションを行い関節の可動性を獲得します。またハイアーチを引き起こしている筋力のバランスなどを考え筋力トレーニングを行う事で、ハイアーチの軽減を図ります。

日常でできる予防対策

適切な靴を選択

ハイアーチの足に合った靴を選ぶことで、足の負担を軽減することができます。アーチサポートやクッション性の高い靴底、足の形に合わせた靴を選ぶことが大切です。

足底腱膜の伸張性が不足している場合は、ゴルフボールやテニスボールを使用し、足底腱膜を解すことで改善が見られます。

ストレッチを行う

また、アキレス腱のストレッチ、長母趾屈筋、長趾屈筋のストレッチなども効果的です。

アキレス腱のストレッチ

距骨下関節のストレッチ

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