爪甲肥厚(そうこうひこう)とは、爪が厚くなってしまう症状のことを指します。爪の表面が凸凹になったり、変色したり、割れたり、縦に溝ができたりすることもあります。爪甲肥厚は、爪の機能障害や外観上の問題となる場合があり、患者の生活に悪影響を与えることがあります。
爪甲肥厚の原因はさまざまであり、原因が特定できない場合もあります。原因としては以下のようなものがあります。
皮膚病や爪の病気:例えば、水虫や乾癬などの皮膚病、爪白癬や爪のカビなどの爪の病気が爪甲肥厚の原因になることがあります。
外傷:爪を繰り返し打つ、擦るなどの外傷が爪甲肥厚の原因となることがあります。
糖尿病:糖尿病をはじめとする代謝性疾患によっても、爪甲肥厚が引き起こされることがあります。
免疫力の低下:免疫力が低下することによって、爪甲肥厚が起こることがあります。
遺伝的要因:爪甲肥厚が家族に多く見られる場合があるため、遺伝的な要因が関係することがあります。
爪甲肥厚の診断は、主に患部の観察と病歴の収集に基づいて行われます。医師は、患者の爪の形状、大きさ、硬さ、色、表面の凹凸を評価し、症状の程度や進行度を決定します。
また、爪の切片を顕微鏡で観察することで、真菌や細菌の感染を検出することもあります。さらに、爪のサンプルを培養して菌を検査することもあります。MRIやX線検査などの画像検査を行うこともあります。
爪甲肥厚が進行すると、足の爪が厚くなり、うまく切れなくなったり、歩行や運動の障害となることがあります。また、爪が埋没すると、炎症や感染症を引き起こすこともあります。重度の爪甲肥厚の場合、痛みや不快感が強くなり、日常生活に支障をきたすことがあります。さらに、爪が変形することで、靴の選び方や着用感にも影響を与えることがあります。
当院ではフットケアとして保険診療での爪切りをしています。爪があつくなると自分では処置がむずかしくなるので受診をおすすめします。
爪甲処置:当院ではフットケアとして保険診療での爪切りをしています。爪があつくなると自分では処置がむずかしくなるので受診をおすすめします。
装具療法:装具を用いて爪への圧力を軽減します。骨格の異常があり爪への負担がかかっている場合に行います。骨格毎に適正な関節ポジションに骨格を矯正し、また体重を支える硬度のある固い足底装具が必要になります。
抗真菌薬の内服や外用剤、爪の部分的な除去などの治療が行われます。
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治療は保護やテーピング、爪の部分的な除去などの治療が行われます。
爪甲肥厚に対する手術は、重度の場合に行われることがあります。手術には以下のようなものがあります。
爪甲切除術:爪を切除する手術で、
爪甲除去術:爪を除去する手術で、ささったりしている部分を除去する手術です。痛みの緩和や炎症の抑制、爪の形状の改善に役立ちます。回復に時間がかかるため、全抜爪を行うことは少ないです。
陥入爪手術:爪甲肥厚して陥入爪となっている場合は、陥入爪手術を行います。NaOHを使って生えてなくなるようにする方法と単純に陥入部分を切除する方法があります。
爪甲肥厚の予防方法としては、以下のようなものがあります。
小さすぎる靴を履いたり、適切なサイズでない靴を履いたりすると、爪に圧迫がかかり、爪が変形したり、爪甲肥厚を引き起こすことがあります。適切なサイズの靴を履くことが大切です。
爪を適切に切りそろえ、清潔に保つことが重要です。爪を削りすぎたり、切りすぎたりすると、爪甲肥厚を引き起こすことがあります。
ビタミンやミネラルが不足すると、爪が脆くなり、爪甲肥厚を引き起こすことがあります。バランスのとれた食事を摂るようにしましょう。
運動不足や足の血行不良が、爪甲肥厚を引き起こすことがあります。適度な運動を心がけ、足の血行を良くすることが大切です。
足の爪は、靴を履いたままでの足首運動やストレッチ運動をすることで、爪に負担がかかり、爪甲肥厚を引き起こすことがあります。適度な裸足運動をすることで、爪に負担をかけないようにしましょう。但し、骨格異常がある場合は裸足で過ごすことは逆効果ですので医師に相談ください