足関節捻挫

sprain of ankle

足関節捻挫

足関節捻挫(あしかんせつねんざ)とは?

足関節捻挫とは、足首を捻った状態での怪我のことを指します。足首を支える靭帯が損傷することで、痛みや腫れ、歩行困難などの症状が現れます。一般的にスポーツや日常生活での転倒などが原因となります。また、ハイアーチの構造を持つ患者は足部の負荷が増加するため、足首の安定性が低下し、外側に転んで足首を捻挫するリスクが増加する場合があります。

足首のねんざの症状は以下のようになります。

痛み

足首の痛みはねんざの最も一般的な症状であり、軽度から重度までさまざまな程度の痛みが生じます。軽度のねんざでは、痛みは比較的軽く、歩行中に感じることがあります。重度のねんざでは、痛みが強く、足首の動きを制限し、歩行ができなくなることがあります。

腫れ

ねんざでは、足首が腫れることがあります。腫れは、足首の靭帯や軟骨の損傷によって引き起こされます。軽度のねんざでは、腫れが軽度であることがありますが、重度のねんざでは、腫れが大きく、足首周囲の皮膚が赤くなることがあります。

動かしにくさ

ねんざを起こすと、足首が動かしにくくなります。このため、歩行や運動が制限されることがあります。また、足首を動かすと痛みが生じることがあります。

しびれや痺れ

ねんざによって、足首の神経や血管が圧迫されることがあり、足首周辺でしびれや痺れを感じることがあります。

足首のねんざの原因は?

足首のねんざは主には内反する形で起こります。足首の靭帯は、強い外力が加わることで伸びたり断裂したりすることがあり、足首のねんざはその一例です。また、スポーツや運動時の急激な動作や着地の際の負荷のかかり方、足首を捻ったりねん挫したりすることでも起こることがあります。

スポーツなどでは走ったり、ジャンプをすると通常の地面から加わる力の3倍から6倍以上の力が足首にかかるので除圧を考えた靴や装具による除圧が必要です。

症例

足首のねんざの検査方法は、以下のようなものがあります。

身体検査:足首の可動域、筋力、骨や関節の異常などを調べます。

超音波検査:液貯留や浮腫、出血、靭帯の損傷などを詳しく調べられます。

レントゲン検査:骨折や骨の変形を確認するために撮影します。

MRI検査:骨や軟骨、靭帯、筋肉などの細かい構造を調べるために撮影します。

CT検査:骨の詳細な形状や損傷状態を評価するために撮影します。

足首のねんざが進行した場合のリスク

足首のねんざを放置すると、痛みや腫れが長期間続いたり、慢性的な痛みや不安定感が残る可能性があります。また、靭帯や軟骨などの組織に損傷がある場合には、関節炎や軟骨の損傷など、より深刻な問題が生じる可能性もあります。足根洞症候群も足関節捻挫の後遺症のひとつとして知られています。

足首のねんざの治療方法

保存療法(手術しない治療法)

保冷・固定療法: 痛みや腫れを抑えるため、炎症を起こしている場合には、アイシングや下肢挙上、腫れてしまった部位(受傷部位以外)は親指で圧迫して浮腫を改善させます。また、足趾をグーパーすることも浮腫改善に有効です。また、骨折や脱臼など重症の場合には、足首を固定するために、ギプスやシーネを使用します。骨折をしていない場合も、足関節の角度が0°にならない場合、固定が必要なことがあります。

リハビリテーション: 痛みや腫れが治まった後は、リハビリテーションが行われます。この際には、柔軟性や筋力を回復させるために、ストレッチや筋力トレーニングを行います。

薬物療法:痛みや腫れを抑えるため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤が処方されることがあります。

装具療法:こども等の場合やねんざを繰り返す場合は足の構造に問題がある場合があります。そのような場合には医療用装具を作成して足の構造を矯正し、体重を支える硬度の高い(固い)装具を足底にいれて治療を行います。

手術療法

重症の場合には、手術が必要な場合があります。例えば、骨折や脱臼、軟骨損傷、靭帯損傷などがあげられます。靭帯の再建術や骨折に対する手術があります。

リハビリテーションによる改善効果

足首のねんざに対するリハビリテーションは、ねんざによる腫れがおさまり、足首を動かすことが可能になってから実施します。目的は、関節の柔軟性や、足の筋肉を鍛え、ねんざをする前の状態に近づけることです。基本的には、個別の状態に合わせて、ストレッチや筋力強化トレーニングを実施します。

日常でできる予防対策

足首のねんざを予防するためには、以下のような対策が考えられます。

適切な靴を履く

スニーカーや運動靴など、足首をしっかりと支える靴を履くことで、足首の負担を軽減できます。ハイヒールや、靴底が極端に高い靴、靴底が柔らかすぎる靴などは足を不安定にしてしまうので、注意が必要です。

ウォーミングアップ

運動やスポーツをする前に、ストレッチやウォーミングアップ運動をすることで、足首の柔軟性を改善し、ねんざをしにくくします。

適度な運動

足首の筋肉を鍛える運動を定期的に行うことで、足首の安定性が向上し、ねんざのリスクを減らすことができます。

注意深く歩く

歩くときには、路面の凹凸や段差に注意し、つまずかないように注意することが重要です。

安全な環境の整備

スポーツや運動をする場所であれば、適切な照明や床の滑り止めなど、安全な環境を整備することで、足首のねんざを防ぐことができます。

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