足根骨癒合症

Tarsal coalition

足根骨癒合症

足根骨癒合症とは?

足根骨癒合症は、足の骨の一部である足根骨が癒合している状態を指します。正常な状態では、足根骨は個々に動いて、足を動かすことができますが、足根骨が癒合することでこの可動性が低下し、足の動きが制限されることがあります。足根骨癒合症の疼痛は、運動選手やダンサーなどの足首の反復的なストレスがかかるスポーツをしている人によく見られます。

足根骨癒合症の症状は、以下の通りです。

痛み

足の内側、足首の後ろ、足底に痛みを感じることがあります。痛みは、運動時や長時間の立ち仕事など、足に負荷がかかる状況で増強されることが多いです。

腫れ

足首の後ろや足底に軽度の腫れが出ることがあります。

歩行困難

足首を曲げたり伸ばしたりする際に痛みが生じるため、歩行に支障が出ることがあります。

変形

足根骨が変形し、外反母趾や扁平足などの足の形の変形が生じることがあります。

足根骨癒合症の原因は?

足根骨癒合症の原因は胎生期における足根骨原始間葉系の分節障害によるとされています。痛みなどの症状に関しては足首の反復的なストレスや遺伝的素因、加齢、外傷、炎症、疾患などが関与すると考えられています。

足根骨癒合症の原因は?

足根骨癒合症の原因は胎生期における足根骨原始間葉系の分節障害によるとされています。痛みなどの症状に関しては足首の反復的なストレスや遺伝的素因、加齢、外傷、炎症、疾患などが関与すると考えられています。

症例

足根骨癒合症の診断には、以下のような検査が用いられます。

症状の詳細な聴取: 痛みや腫れの発生時期、程度、場所、持続期間、痛みの性質などの情報を収集します。

身体検査:患部の腫れ、熱感、変形、感度、可動域、筋力、歩行などを評価します。

レントゲン検査:骨の状態を詳しく調べるために、X線検査を行います。足根骨癒合症では、骨の癒合部分が明確に映ることが多いです。

超音波検査:超音波にて関節や骨の形状、関節液貯留などを調べることが出来ます。

MRI検査:MRI(磁気共鳴画像法)を使用することで、骨、軟骨、靭帯、筋肉などの軟組織の詳細な状態を調べることができます。

CT検査:足根骨の状態を詳しく調べるために、CT(コンピュータ断層撮影)を行うことがあります。

足根骨癒合症が進行した場合のリスク

足根骨癒合症が進行すると、足首の可動域が制限されたり、痛みが増したりすることがあります。また、歩行に支障をきたしたり、足の形が変形することがあります。重症化すると手術が必要になることもあります。そのため、早期の治療が大切です。

足根骨癒合症の治療方法

保存療法(手術しない治療法)

装具療法:関節や骨の負担を軽減する目的で医療用装具(インソール、短下肢装具)を作成して骨格異常を是正します。体重を支えるため硬度の高い(固い)装具が必要になります。

注射療法:ステロイド注射を疼痛のある部位にトリガー注射したり関節内に注射をして炎症を抑えることがあります。

体外衝撃波治療:体外衝撃波療法(ESWT: Extracorporeal Shock Wave Therapy)は、超音波のエネルギーを利用して、体外から皮膚や筋肉を通じて、患部の組織に高周波の衝撃波を送り込む治療法です。疲労骨折の場合は自費治療になります →詳細はこちら

LIPUS治療:LIPUSは、超音波音波療法の一種で、低強度の超音波を照射することによって骨の修復を促す治療法です。疲労骨折や骨折後の骨の治癒を40%程度早めるために使用されることがあります。LIPUSは非侵襲的で、一般的に安全性が高いとされています。痛みを伴いません。

手術療法

重症の場合は手術を行う場合もありますが、手術は症状や進行度合いに応じて行われます。癒合部切除術や関節固定術などがあります。手術後は、適切なリハビリやリストリングなどの運動療法が必要となります。

リハビリテーションによる改善効果

リハビリテーションによって足根骨癒合症自体を改善することや、発症自体を予防することは困難です。そのため、リハビリテーションでは、足部の機能を高めて、足根骨癒合症のよって生じる痛みを軽減したり、予防したりすることを目的として行います。

主に、足部には癒合している部分以外にも多くの関節があるため、それらの関節の柔軟性を高めたり、足部のコントロールを高めるために足の細い筋肉を鍛えて行くことを行います。

日常でできる予防対策

足根骨癒合症の予防方法は、以下の通りです。

適切な靴を履く

靴は適切なサイズであり、弾力性のあるクッションがあるものを選ぶようにしましょう。

筋力トレーニング

下肢の筋力を維持するため、ウォーキングやジョギングなどの運動を取り入れた運動習慣を作ることが大切です。

過剰な運動を避ける

過剰な運動や、長時間の立ち仕事、激しい運動などは、足根骨癒合症を引き起こす可能性があるため、適度な運動と休息をとることが必要です。

栄養バランスの良い食事

カルシウムやビタミンDなどの栄養素をバランスよく摂ることが、骨の健康につながります。

早期発見と治療

足の痛みや違和感を感じた場合は、早期に医師に相談し、治療を行うことが大切です。

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