カーリートウは、子どもにみられる主に第4趾、第5趾の内反変形です。カーリートウは、基本的には無症状ですが痛みや歩行障害などの症状が現れることがあります。また、外見的な問題となる場合もあります。25%
程度は自然治癒するとされています。
カーリートウの原因は複数ありますが、主な原因として以下のものが挙げられます。
遺伝性:カーリートウの方のご家族の足をみると同じように第4趾、第5趾が内反していることがあり、遺伝的要素があるとされています。
靴の選び方や使用方法の誤り:つま先が狭い靴を履いたり、高いヒールの靴を履いたりすることによって、足指が長時間圧迫されることで、カーリングする可能性が高まります。
足の形状や構造:足の指の骨や関節の形状や構造が、カーリングを引き起こす原因になることがあります。
神経や筋肉の問題:神経や筋肉の問題によって、足指がうまく伸ばせない状態が続くと、カーリングする可能性があります。
外傷:足指を強打するなどの外傷が原因で、カーリングすることがあります。
カーリートウは、一般的には診断が比較的容易で、症状を見て診断がつくことが多いため、特別な検査は必要ありません。しかし、症状が重度であったり、他の足の疾患と混同される可能性がある場合は、レントゲン検査や足の形状を詳しく調べるための立体写真検査などが行われることがあります。
X線検査: 痛みがある場合は骨折を否定するためにX線撮影を行うことがあります。
超音波検査:痛みや腫れがある場合、骨の形状や液貯留などを確認するために超音波検査をすることがあります。
CT検査:CTにてより詳細に骨の状態を把握することが出来ます。
MRI検査: MRIでは、骨・軟骨・骨端線や軟部組織の炎症を詳細に調べることができます。
カーリートウが進行すると、足指の屈曲制限が進行し、足裏の角質化や変形が起こります。さらに、足底の圧迫や不適切な靴の使用によって、足底の皮膚にタコや魚の目ができたり、足底の痛みを引き起こすことがあります。また、足底の強い痛みや、歩行困難などの症状が現れる場合もあります。さらに、カーリートウが原因で、足指が変形して靴が合わなくなり、靴擦れや内出血を引き起こすこともあります。このような症状が進行すると、歩行や日常生活に支障が出る場合があります。
足の形や歩行方法が原因である場合は、医療用インソールを使ったり、運動療法を行うことで治療をおこないます。
テーピング療法:基本的にテーピング療法は不要とされていますが、横の趾にあたってたこ(胼胝)などが出来る場合に行うことがあります。
装具療法:関節や骨の負担を軽減する目的で医療用装具(インソール、短下肢装具)を作成して骨格異常を是正します。体重を支えるため硬度の高い(固い)装具が必要になります。
運動療法:足の筋力を強化するエクササイズや、足首の可動域を改善するストレッチなどを行います。
薬物治療:痛みや炎症がある場合は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用や、足の保護のために靴を選ぶことがあります。痛みが強い場合は、一時的に湿布や氷を使用することもあります。
症状が長期間改善しない場合は、手術が必要となる場合もあります。
手術では、関節の固定や筋肉・腱のリリースが行われ、趾の正常な形状が回復されることを目指します。
初期状態のカーリートウの場合、日帰り手術にて切開することなく、局所麻酔だけで痛みもほとんどなく、関節内に特殊な器具で切除することで治療できますので、できるだけ早期のうちに受診相談をすることを推奨します。
カーリートゥに対するリハビリテーションは治療方法に合わせて実施内容が異なります。
主に足の発達を促す運動を行いながら、バランスよく足の筋肉が発達するようにトレーニング方法を提案したり、実際に行ったりします。
靴の履き方や、適した靴の選び方などをお伝えして、適切な靴を選べるようにお手伝いをします。
関節が固くなっていたり、動かしにくさがある場合はストレッチングを行ったり、自宅でもできる方法をお伝えするとこをします。
手術のあとの状況に合わせて、医師と相談しながら、運動を進めていきます。
カーリートウを予防する方法には以下が挙げられます。
指が窮屈にならないゆったりとした靴を選び、かかとが滑りにくいものを履くことが重要です。
爪の切り方を正しく行い、皮膚が乾燥しないように保湿剤を使うなど、足のケアをしっかり行うことも大切です。
運動不足にならないよう、毎日30分程度のウォーキングなどの軽い運動を心がけましょう。