シンスプリントは、運動をする際にスネに痛みが生じる症状のことで、特にランニングやジャンプなどの繰り返しの多い運動をする人によく見られます。痛みは、下腿の内側に沿った部分に集中することがあります。また、痛みがある部位を触れたり、圧迫すると痛みが強くなる場合があります。シンスプリントは、過度な運動や、足の形や筋肉のバランスに問題がある場合に起こることがあります。
シンスプリントの主な症状には以下が挙げられます。
・足の内側に沿って鋭い痛みが生じることがあります。
・疼痛は運動中に現れる傾向があり、運動を止めると痛みが消失することがあります。
・疼痛は休息しても持続し、慢性化することがあります。
・疼痛の程度は個人差があり、軽い場合は痛みを感じることはありません。重度の場合は歩行が困難になることがあります。
・しびれや痺れ感、足の冷感などの症状が生じることがあります。
シンスプリントの原因は、主に下肢の過剰な負荷によるものです。具体的には、運動中に脚にかかる反復的なストレスや、長時間の運動による筋肉の疲労、骨密度の低下、足の形態の異常、運動不足などが原因とされています。また、靴の選び方や地面の硬さ、走る姿勢なども影響すると考えられています。
シンスプリントは、特定の運動や活動をすると、下腿の内側に痛みが生じる症状です。主に、ランニングやジャンプなど、下肢に負荷をかけるスポーツをする人に発生することが多く、繰り返しの負荷によって筋肉や骨に微小な損傷が生じることが原因とされています。
診断では、主に以下の検査が行われます。
身体の検査:痛みのある部位の触診や圧痛の有無を確認します。
X線検査:骨折や骨片の異常な移動を確認するために行われます。
超音波検査:骨膜の肥厚や骨の変形、液貯留などを確認します。
MRI検査:筋肉や腱、骨についてより詳細に診断するために行われます。MRIは、X線よりもより詳細な診断が可能で、炎症や腫れ、骨折の程度などを確認することができます。
シンスプリントが進行すると、骨折や慢性化する可能性があります。また、悪化すると歩行に制限が生じ、生活の質が低下することがあります。早期に適切な治療を受けることが大切です。
装具療法:医療用インソール(オーソティックス)を使用することで、足のアーチを補助し、足の疲れや痛みを軽減することができます。足の骨格構造に合わせたニュートラルポジションに骨格を矯正し、また体重を支える硬度のある固い装具が必要になります。
テーピング:医療用インソールを用いた装具療法と同様の理由でテーピングによる足の姿勢(アライメント)の補正を行い症状の悪化を防ぐことができます。しかしテーピングは張りなおす必要があるため、長期的な治療を行う場合、装具療法が優れています。
筋力トレーニング: 足の筋肉を鍛えることで、足のアーチをサポートする力を強化できます。特に足底筋(足の裏の筋肉)やふくらはぎの筋肉を鍛えることが効果的です。当院では自費リハビリテーションにより提供しています。
体外衝撃波治療:体外衝撃波療法(ESWT: Extracorporeal Shock Wave Therapy)は、超音波のエネルギーを利用して、体外から皮膚や筋肉を通じて、患部の組織に高周波の衝撃波を送り込む治療法です。シンスプリントの場合は自費治療になります →詳細はこちら
LIPUS治療:LIPUSは、超音波音波療法の一種で、低強度の超音波を照射することによって骨の修復を促す治療法です。疲労骨折や骨折後の骨の治癒を40%程度早めるために使用されることがあります。LIPUSは非侵襲的で、一般的に安全性が高いとされています。痛みを伴いません。
ほとんどの場合、シンスプリントは非手術的治療で改善されますが、慢性的な症状がある場合は手術が必要になる場合もあります。手術には、骨や筋肉の炎症を取り除く、骨の異常な成長を取り除くなどの方法があります。
シンスプリントに対するリハビリテーションでは、主に、足の機能を高めて、シンスプリントによる痛みの軽減や、再発予防を目的に行います。具体的には、足のアーチ構造を支える筋肉の強化や、足の各関節の柔軟性の改善、バランス機能の改善を行います。加えて、足以外の膝関節や股関節など全身の筋肉バランスの調整、運動のフォームの改善等も必要に応じて行います。
シンスプリントの予防方法には、以下のようなものがあります。
ランニングやジャンプをする前に、十分なウォーミングアップを行い、筋肉や関節を準備します。また、筋力トレーニングを行い、筋肉のバランスを整えることも大切です。
運動時には、足に合った適切な靴を選びましょう。特に、足底部をしっかりと支える構造の靴や、運動の種類に適した、クッション性ある靴底の靴がおすすめです。
アーチサポートのあるインソールや、足底部をサポートするスポーツ用のテーピングを使用することで、足底部の負担を軽減することができます。
運動の前後には十分な休息をとり、筋肉や関節に十分な回復期間を与えるようにしましょう。また、疲れたときは無理をせずに休むことも大切です。
適切な栄養バランスを保ち、カルシウムやビタミンDなど、骨を強化する栄養素を摂取することも重要です。